2016/05/16
2016年5月16日掲載 日経新聞「きょうのことば」より

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代替フロン

G7、段階的に生産規制

▽…エアコンや冷凍・冷蔵機器で、空気を効率的に冷やしたり暖めたりするために冷媒として世界で広く使われている。オゾン層を破壊する特定フロンとは異なり、代替フロンはオゾン層への影響が少ない。1987年のモントリオール議定書の採択で国際的に規制された特定フロンに代わって普及した。
▽…フロンの利用規制は国や地域によって異なる。日本や欧州などの先進国では基準が厳しいが、世界最大のエアコン市場である中国や新興国では代替フロンへの移行が遅れ気味だ。ただ、代替フロンも地球温暖化への影響は大きく、二酸化炭素(CO₂)の数百倍から数千倍とされる。主要7カ国(G7)は15日に開幕した環境相会合で、代替フロンの段階的な生産規制に合意する。
▽…代替フロンで現在の主流は「HFC410A」という種類。日本企業は温暖化への影響がHFC410Aと比べて3分の1とされる「HFC32」の採用を進めている。冷媒の使用量を削減でき、部品のサイズも小さくできる。エアコンは冷媒によって充填やリサイクル方法が異なり、販売店への技術研修が必要。HFC32の採用が広まれば、販売面で世界で優位に立つ可能性が高まる。