ダクト業界の座談会でのコメントが深刻
ヤマト運輸の件から運搬費が上昇し、佐川急便も値段の見直しをしています。
さらに労務者の勤務体系についても隔週の休みを、毎週土日休みと変更しました。これはとりもなおさず離職者を減少するためですが、就労日数が2〜3日減っても給与は変わらないので、その分の給与上昇ということです。
また人手不足の上に就労日数まで減ることになり、強いては休日出勤をするケースが増え、その分の休日手当までも増えるということになります。
先般発表された国交省の「公共工事設計労務単価」では、平成24年に比べ30年では40数%アップしたと言われています。ダクト工に限って言えばそれほど上がっているという感覚はなく、日当3万円、月給75万円というのが上級職クラスの給与という。ただ手取りで月に60万円、年収720万円が上級職の収入というのは、目指す若者にとって魅力的なものではなく、これを年1千万円に持っていく必要がある。
そうなると外注費関係は、少なくとも30%はアップしていかなければなりません。
これが労務費の高騰についてのざっくりとした流れです。
さらには鉄板の大幅値上げから材料費も20%高騰しています。
輸送費は先のヤマト運輸の件のように上がっています。人手不足はリフト等での運転手不足にもなっており、運搬費全般では30%増しが妥当とのこと。
まとめると下記のようになります。
受注を40%あげるなんて現実的に出来ますか?
近所のラーメン屋なども野菜高騰のため、10〜15%値上げしていますが、それで精一杯でしょう。
労務費が97年度比で98%まで戻ったとあります。つまり20年間で戻ったと言ってもマイナス2%なのです。デフレ環境下では労務単価を苛めてきたという証明ですね。
まあ、日本の株価はその頃よりも相当に安くなっていることから、労務費にのみ負担をしわ寄せしているわけではありません。
復興支援、東京駅周辺開発、リニアモーターカー、東京オリンピック、さらにはビットコインの様なミニバブルと言える昨今ですが、本当に泡の上に築いた砂上の楼閣にも見える日本の現状に感じてしまいますね。
*参照:空調タイムス
深澤真紀先生の講話について・・・
先ずはプロフィールを紹介しましょう。
獨協大学特任教授
コラムニスト
企画会社タクト・プランニング代表取締役
早稲田大学卒業後は情報番組「とくダネ」など多数出演コメンテーターとして活躍。
「草食男子」や「肉食女子」を命名、2009年流行語大賞ベスト10に選ばれる。
私もよくテレビで拝見してお顔は知っていますが、その通りによく喋り、頭の切れる方です。大体にしてお喋りで早口な方は頭の回転は良い様ですね。
80分間休みなく続く弾丸トークは、とても魅力的でまるで深澤小劇場を観るかの様でした。
とても参考になるお話が多かったので、必死にメモを取りながらでしたが。
草食男子とは・・・
草食男子という言葉は「マイナス語ではなかったのに、次第にマイナス語として使われる様になってしまった」というのは驚きました。
「モテないわけではないが恋愛やセックスにがっつかない」
「据え膳食わないし、送り狼もしない」
「家族や友人を大事にし、女性と友人関係がもてる男性」
という意味とのことです。
大学生に「据え膳食わぬは・・・」と言うと、「意味がわからない」と言われ、説明すると、「そんな自分からやってなんて言う女の子いるわけないじゃないですか!」と驚かれ、「送り狼・・・」と言うと、「先生、それは犯罪ですよ!」と言われたと言うのには、腹を抱えて笑ってしまいました。
確かに「草食男子」とは言い得て妙ですよね。
今時の若者は貯蓄をしている・・・
18〜19歳の大学生がアルバイトをしながら一生懸命貯蓄をしているとのことです。深澤先生の学生時代はバブル絶頂期の頃で、貯めるどころか使い道を考えるのに躍起になっていた頃ですね。
「なんで君はその若さでお金を貯めてるの」
「先生、今からの日本がどうなって行くのか、さらに自分たちが年取った時は、年金が崩壊しているんですよ」
となんとも現実的な考え。我々がその年の時に、老後を考えてなんて有りませんでしたよね。今を必死に生きて行くこと、私は遊び呆けるなんて出来ないですが、他の同級生は遊ぶのに夢中だったりしていました。
そもそも若者が減っているのですから、ライバル心を剥き出しにした出世欲なんて無いのかもしれません。
出生率 1950年270万人 → 2015年100万人
大学に受かるのもたやすくなってきて、学士様と言う肩書きが薄れているのもあるでしょう。大学生としての価値観の薄さ、みたいなものでしょうか。
ちなみにセックスの回数と出生率は関係ないとのことです。
ギリシャ セックス回数 年140回 出生率1.5人
日本 セックス回数 年50回 出生率1.4人
若者は結婚や子供に興味がない・・・
正社員20代男性は25%が結婚し、33%に交際相手がいる。約6割に妻か恋人。
非正規20代社員は4%しか結婚せず、16%しか交際相手がいない。約2割に妻か恋人。
この数字を見ると、興味がないと言うか、生活基盤が有るか無いかで三倍の差が開いている様に見えますね。
深澤先生も「お金の若者離れ」と言う表現をしていました。
若者が金を稼ぐことよりも自分のライフスタイルを重要視しているのかもしれません。
「いばられる」のも「いばる」のも嫌いで、「褒める」のも「褒められる」のも好きと言うことです。島耕作型ではなく釣りバカ日誌型とのこと。
若者とネットは問題か?・・・
ネット炎上を起こしているのは「中高年」「男性」「妻子がいる」「年収が高い」「経営者や地位が高い」人が一番多い。海外ではトランプ大統領を始め、各国の要人がネット炎上している。
日本ではパソコンを使わなくなっている若者が多く、スマホは読む道具、パソコンは作る道具。
最近の日本は怖い?・・・
殺人発生率は世界で最も少ない。一般刑法犯のうち10〜20代が占める割合は、1989年 → 70%
2015年 → 40%
と減っている。
若者の死因1位が「自殺」なのは日本だけ。
死因の2位が「殺人」なのはアメリカだけ。
不思議なのは、若者の貧困率が上がってきているのに、若者の犯罪率が減っているのは日本だけとの事です。
穿った見方ですが、「犯罪を犯してでも“金が欲しい”的な欲求、欲望さえも生まれない」のかもしれませんね。
女性が輝く社会・・・
日本の男女平等度は約140カ国のうち100位前後。
女性の社会進出は進んでいても、男性の家庭進出は進んでいない。
ここからは、ではどうすれば良いかの参考になると思います。
若者や女性を育てるために、彼らにアドバイスする2つのこと・・・
- 自分の頭で考え、自分の言葉で話すのではなく、まず他人の頭と言葉をたくさん知って、そこから選ぼう。
- 色々な考え方や生きかたを知り(政治、思想、宗教、性的指向、家族観)、他者を尊重し自分の尊厳を大事にしよう。不寛容や差別、権力の横暴にはきちんと怒ろう。
若者や女性を育てるための選択肢は3つ・・・
- 自分たちが好きなものや好きな生き方を伝えていく(彼らを尊敬するのが好き)。
- 「若者は」「女性は」と大きな問いかけではなく、「あなたは」と言う問いかけをする、一人一人の」多様な生き方を尊重する。
- 自分たちを上手く使ってもらう。過去の成功体験に頼らず、自分たちの技術や失敗を伝えていく。若者と女性にチャンスを!
このアドバイスは深澤先生の教えのまま書いています。
最後のトークで印象的だったのが、
「今の学校は校則をより厳しくしているところもあり、学生を画一的に扱いたいと思っている」
「その典型がリクルートファッション、個性を出さず、皆同じ格好にする。歩いている姿はまるで喪服を着て葬式に向かっている集団」
「と言いながら、社会人になると『もっと個性を出せ!』と言い始めるから、若者が困惑してしまう」
その通りだと思いますね。
さらに、
「君たち若者はどう思っているわけ?」
なんて聴きかたは逆に言えば、
「あなた達おじさんはどう考えているの?」
と聞かれているのと同じ。
確かにそう聞かれると、
「他のおじさんがどう考えているかなんてわからないが、俺は“ウンヌンカンヌン”・・・」と言うんじゃないでしょうか。
若者だって他の若者がどう考えているかなんてわからないのですから、
「君はどう考えているの?」
とその人を一個人として認め、その人の意見として聞くべきですよね。
最後に深澤先生の言葉で締めたいと思います。
「彼らを信じて、彼らに頼ることが自分たちのためになる」
我が生まれ故郷の名前ですが、残念ながら「やどけ」「しゅくげ」と読まれてしまう時が多いですね。
「すくも」と読みますからぜひ覚えておいて下さい。3月4〜5日、宿毛へ帰省してまいりました。
四国の最果てに位置する宿毛のさらに西側に片島漁港があります。ここには橋で繋がっている大島があり、その西の海岸の目の前に「感陽島(かんようとう)」があります。干潮になると地続きで歩いて渡れます。
その感陽島の横に夕日が沈む時、‘海面とくっついたように見える’日本で唯一の絶景が「だるま夕日」なんです。
宿毛市は、今や人口は2万数千人しかいない小さな街ですが、以外に偉人が多く輩出されています。元総理大臣「吉田茂」もその筆頭と言えるでしょう。そして吉田茂氏の兄「竹内明太郎」が大企業、小松製作所の創業者です。
その他にも関取豊ノ島、コメディアン間寛平、ソプラニスト岡本知高、なども排出しています。どなたも個性的でしょ?
私が帰省した理由は、3月4日に「梓立祭」が模様されたので出席するためです。
もう一度質問させて頂きます。皆さん「小野梓」を知っていますか?
早稲田大学を設立した「大隈重信」の名前を知っている方は多いことでしょう。
でも、大隈と共に立憲改進党を創立し、早稲田大学の前身「東京専門学校」を設立したのが小野梓なのです。
大隈重信が彼を最も尊敬し、大隈の反対派であった伊東博文や井上馨が彼をはばかっていたというのだから、大した大物です。
しかしなんと35歳の若さでなくなりました。「国憲汎論」やその他の法律書を著作した小野は、後10年でも長生きしていれば、今でも延々と語り継がれるほどの人物になっていただろうと言われています。
その「小野梓」を忍んで設立したのが「梓立祭」です。今年で16回目とまだ年数は少ないですが徐々に参加者が増え、早稲田大学元総長「奥島氏」、富山房代表取締役「坂本女子」、そして小松製作所顧問や副社長(小松製作所関係者は約20名)など沢山の方々が集られました。
そしてこの時、地元の小学、中学性を対象にした絵画、作文の優秀者を表彰しました。最後に最優秀賞の小筑紫小学校五年の〇〇君が作文を元気一杯の力強い言葉で読み上げました。
表彰式が終わると「草食男子」の名付け親「深澤真紀」女子による、素敵な講話がありました。テレビでは良く見かける方ですが、素晴らしく頭の切れるかたで、80分間喋り続ける弾丸トークに魅了された次第です。
詳細は次回にさせて頂きす。
さてさて、19時からは懇親会です。賑やかなもんですよ、さすが酒豪の国高知です。
とにかく手酌させると、「とんでもない失礼をしてしまった!」と「切腹」しなければならない国ですから、ガンガン飲みながらも他人のコップの残量を気にして、空になりそうだと直ぐに注いで来ます。
でも面白かったのは、貴賓に目録を贈呈するところです。
一番最初に壇上に呼ばれた奥島元総長は、梓会会長の澤田氏より目録を受け取り下壇します。それを目録を澤田氏に渡していた澤田氏の奥様が走って追いかけ、目録を返して貰ったのです。
なんと、目録は一つしかなく、それを贈呈式で“たらい回し”にしたのです!!
奥様が申し訳なさそうに目録を返してもらうのが面白く、次第に登壇者が目録を持って逃げようとしたり、服の中に仕舞い込んだり、澤田氏から受け取るとそのまま奥様に返したりと、みなさんウケ狙いに必死なので、それがまた面白い!
二次会にもそのまま半数の人が移動し、田舎町には信じられない自家製窯を備えたオシャレなイタリアンのお店を貸し切りにして、ワインのがぶ飲みです。
私もワインをおそらく二本ほどと、ピザが美味しくて何切れも食べてしまいました。
翌日は、宿毛商工会立田会頭の段取りで、地元の電機業者五社に「FeDO」のプレゼンをさせて頂きました。立田会頭はバイオマス工場を設立したり、宿毛の活況に尽力をなさっています。
私も、宿毛市出身として少しでもお役に立てられればと思います。